お母さんの心音や声は、赤ちゃんの発育に好影響

産婦人科医医学博士 池川クリニック院長 池川明 氏

 皆さんは、胎児〜新生児期の赤ちゃんの環境が、その後の生きやすさ、生きづらさと密接に関係しているということをご存じでしょうか。
 赤ちゃんの脳は、妊娠初期につくられます。そして、へその緒を通じて流れ込むお母さんの感情──幸せ、喜び、怒り、不安、安らぎといった気持ちを共有しています。音にも敏感で、10週目頃から羊水を通じて皮膚で音を感じ取り、28週目には聴覚が完成して外部の音を聴き分けられるようになります。子宮内にはお母さんの心音や声がかなり大きな音で響いていますから、お母さんの感情とまわりの環境音は、おなかの赤ちゃんにダイレクトに伝わっています。こういった胎内環境が良好であればあるほど、赤ちゃんがすこやかに発育することがわかっています。だからこそ、妊娠中のお母さんはストレスをためずにおだやかに過ごしながら、赤ちゃんに話しかけながら音楽を聴いたり、おうたをうたって聴かせてあげることが大切なのです。
 私の「胎内記憶」の研究発表により、赤ちゃんは胎内にいるときから“意識”や“意志”があるということを認識して過ごす妊婦さんが増えています。『妊娠・育児にこんな魔法がほしかった!』シリーズは、豊かな音楽が妊娠〜育児期におけるお母さんの感情をおだやかにすると同時に、胎児のころからすでに存在している赤ちゃんの“意志”を大切に考えて作られています。豊かな音楽には心身をリラックスさせる効果のあることが知られていますが、その作用を、ぜひ赤ちゃんがすこやかに育つための環境づくりに生かしていただきたいと思います。このCDがあらゆる子育てシーンで活用され、子どもたちが愛を感じながら人生を輝かせることを願っています。

プロフィール
池川 明(いけがわ あきら)産婦人科医医学博士 池川クリニック院長
尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年横浜市に産婦人科の池川クリニックを開設。年間約100件の出産を扱い、現在にいたる。2001年9月、全国の保険医で構成する保団連医療研究集会で「胎内記憶」について発表し、それが新聞で紹介され話題となる。現在は産婦人科医の傍ら、胎内記憶にもとづく子育て観や人生観を全国で講演、好評を博す。著書やCDも多数。